メディマーケリサーチ
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医薬品マーケティングに携わるみなさまにとって、気になる、知りたかったテーマでの調査をメディマーケ+が独自に実施。みなさまに有益となる調査結果を、今後随時更新予定。

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第1回「処方箋医薬品に対する患者側の意識/理解度の実態調査」

医薬品マーケティングに携わるみなさまにとって、気になる、知りたかったテーマでの調査をメディマーケ+が独自に実施する、メディマーケリサーチのコーナー。
記念すべき第1回目として、2種類以上の医療用医薬品を半年以上継続して処方されている患者さん310名を対象とする「処方箋医薬品に対する患者側の意識/理解度の実態調査」を実施。自身に処方されている医療用医薬品に対する理解度や、使用し忘れの実態、医療用医薬品にかかる費用に対する意識、お薬手帳やジェネリック医薬品の利用状況について調査しました。

この結果、61.6%の人が医療用医薬品の使用し忘れを経験しており、その主な原因は、外出時に薬を忘れること・薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないことであることが明らかになりました。
結果の概要を以下の通りご報告いたします。

調査の概要

調査対象: 2種類以上の医療用医薬品を半年以上継続して処方されている患者さん 310名
調査方法: インターネットによるアンケート調査
調査会社: 株式会社マクロミル
調査期間: 2016年9月5日(月)~2016年9月7日(水)

 

結果の概要

+ 6割以上の人が医療用医薬品の使用し忘れを経験

医療用医薬品の使用し忘れについて聞いたところ、「使用し忘れることはない」と回答した人は119/310名(38.4%)であり、191/310名(61.6%)は使用し忘れることがあると回答しました。

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+ 使用し忘れの主な原因は、外出時に薬を忘れること・薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないこと

医療用医薬品を使用し忘れることがある191名に、その原因を聞いたところ、「外出するときに、薬を持っていくのを忘れてしまうため」(79/191名〈41.4%〉)、「薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないため」(75/191名〈39.3%〉)が多く挙げられました(複数回答可)。

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なお、「処方されたとおりにきっちり使用しなくても大丈夫だと思っているので」と答えた人(23/191名〈12.0%〉)の疾患名(複数回答可)は以下のとおりでした。

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+ 外出時に薬を忘れること・薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないことを使用し忘れの原因として挙げた人の中では、企業や官公庁で働く人の占める割合が高い

また、使用し忘れの原因を回答者の職業で解析した結果、企業や官公庁で働く人(公務員/経営者・役員/会社員)の割合が、「薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないため」(31/75〈41.3%〉)、「外出するときに、薬を持っていくのを忘れてしまうため」(39/79〈49.4%〉)、「処方されたとおりにきっちり使用しなくても大丈夫だと思っているので」(11/23〈47.8%〉)の3項目で高くなっていました。
企業や官公庁で働く人の場合、必然的に自宅以外で薬を使用する機会が多くなるため、「外出するときに、薬を持っていくのを忘れてしまうため」「薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないため」に占める割合が高くなったと考えられます。

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+ 使用し忘れることがない人の防止策で最も多かったのは「特に工夫をしていない」で、およそ半数が回答

一方で、医療用医薬品を「使用し忘れることはない」と答えた119名に防止策を聞いたところ、「薬の置き場所を工夫して、使用し忘れないようにしている」(34/119名〈28.6%〉)、「かかりつけ医や薬局に相談し、薬を一包化するなどしてまとめてもらっている」(19/119名〈16.0%〉)が具体的な対策として比較的多く挙げられました(複数回答可)。
しかし、最も多かった回答は「特に工夫はしていない」(57/119名〈47.9%〉)であり、医療用医薬品を使用し忘れることがない人は、特に何の工夫をせずとも適正に使用できているという実態が明らかになりました。

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+ 自分が使用している医療用医薬品の費用を8割以上の人が把握している

自分が使用している医療用医薬品の費用を「きちんと把握している」「だいたい把握している」と回答した人が合わせて261/310名(84.2%)で、8割以上の人が把握しているという結果になりました。

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+ 8割の人がお薬手帳を高い頻度で活用

お薬手帳の利用状況について質問したところ、「毎回、必ず利用している」と回答した人は190/310名(61.3%)でした。「ほとんど毎回、利用している」と回答した人(59/310名〈19.0%〉)と合わせ、249/310名(80.3%)と8割の人が高い頻度で利用しているという結果になりました。

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+ ジェネリック医薬品への切り替えを自ら希望することがある人がおよそ6割

ジェネリック医薬品への切り替え状況について質問したところ、「切り替え可能なものは全て自らジェネリック医薬品を希望する」と回答した人は129/310名(41.6%)でした。「薬によっては、自らジェネリック医薬品を希望することがある」と回答した55/310名(17.7%)と合わせ、184/310名(59.4%)とおよそ6割の人が自らジェネリック医薬品を希望することがあると回答しました。

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今回の調査によると、2種類以上の医療用医薬品を半年以上継続して処方されている患者さん310名のうち61.6%(191名)が医療用医薬品の使用し忘れを経験しており、その主な原因は「外出するときに、薬を持っていくのを忘れてしまうため」(79/191名〈41.4%〉)、「薬を使用するタイミングと自分の生活リズムが合わないため」(75/191名〈39.3%〉)でした。特に、官公庁や企業に勤めている人でこの傾向が顕著にみられました。

その一方で、「使用し忘れることがない」と答えた119/310名(38.4%)に防止策を聞いたところ、「薬の置き場所を工夫して、使用し忘れないようにしている」(34/119名〈28.6%〉)、「かかりつけ医や薬局に相談し、薬を一包化するなどしてまとめてもらっている」(19/119名〈16.0%〉)が比較的多く挙げられたものの、およそ半数は「特に工夫はしていない」と回答しました(57/119名〈47.9%〉)。

以上により、“医療用医薬品を使用し忘れない人の47.9%は、特に何の工夫をせずとも適正に薬を使用できている(57/310名〈18.4%〉)。その一方で、使用し忘れを経験している人は61.6%に上る”という実態が明らかになりました。

これらの結果から、医療用医薬品の使用し忘れを減らすためには、まず、処方の際に患者さんの生活スタイルを念頭に置き、患者さんが無理なく薬を使用できるよう負担を減らすことが有効であると考えられます。また、使用し忘れに対する積極的な防止策をとる人が少ないことから、患者さんに対して何らかのサポートを提供することができれば、それをきっかけに使用し忘れを減らすことができる可能性があると考えられます。


※この調査の結果の詳細は実施報告書(PDF:2.09MB)をご参照ください。

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※お寄せいただいたテーマのすべてで調査を実施できるとは限りませんので、その旨ご了承くださいますようお願いいたします。

株式会社エム・シー・アンド・ピー 医科学マーケティングカンパニー内
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