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■行政トピックス
1.患者申出療養評価会議 9月21日-第1例目を条件付きで承認
2.中医協総会 9月28日-デパスとアモバン、投薬上限は30日に
■セミナー便り
日米政策決定者が一堂に、糖尿病中心に意見交換-慢性疾患管理に関する日米討論会-
■学会トピックス
「心不全の新たな薬物治療の展望」でシンポ-第64回日本心臓病学会学術集会-

■行政トピックス

1.患者申出療養評価会議 9月21日
-第1例目を条件付きで承認

厚生労働省の患者申出療養評価会議は9月21日、極めて予後が悪い胃がんに対する抗がん剤併用療法の臨床研究実施を条件付きで承認した。4月にスタートした保険外併用療養制度の新類型である「患者申出療養」の第1例目となる。

患者申出療養は、適格基準に該当しないなどの理由で、「先進医療」や「拡大治験」など既存の枠組みに参加できないような患者にも、保険診療との併用で先進的な医療を受けられる道を開くもの。基本的に臨床研究として実施されるが、患者の申出を起点としていることが最大の特徴。臨床研究中核病院が相談に乗ったり、国への意見書を作成したりして患者をサポートする。また、患者申出療養の安全性・有効性等を審査して、実施にゴーサインを出す役割を患者申出療養評価会議が担う。

21日の同評価会議では、患者から申出があった「腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がんに対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法の臨床研究」の実施について、有効性・安全性を許容できるかどうか審議し、条件付きで実施を認めた。

同併用療法は、すでに「先進医療制度」下で第3相試験が実施されているが、同評価会議に示された試験結果の資料によると、主要評価項目である全生存期間について、主解析では統計学的な有意差は示されなかった。ただし、「腹水量を調整した感度解析では有意な生存期間延長を認めたことにより、本療法の有効性が示唆された」としている。安全性に大きな問題はなかったという。

今回は臨床研究中核病院の一つである東大医学部付属病院が患者をサポートした。東大病院が作成した実施計画に対して、同評価会議では、委員から第3相試験では対象にならなかった多様な患者(例えば高齢者、パフォーマンスステータス2~3など)が組み入れられること、同意文書の全体のページ数が多いことなどに懸念が示されたが、適正に修正が行われれば、実施を認めることとした。

研究期間は1年、登録症例数は100例を予定。主要評価項目は有害事象発現状況、副次評価項目は全生存期間、奏効割合および腹腔洗浄細胞診陰性化率とする。保険給付されない費用(患者申出療養に係る費用)は、平均的な投与回数である24回投与の場合で44万6000円。

■行政トピックス

2.中医協総会 9月28日
-デパスとアモバン、投薬上限は30日に

中医協は9月28日の総会で、抗不安薬エチゾラム(デパス)および睡眠薬ゾピクロン(アモバン)の向精神薬指定(9月14日公布、10月14日施行)に伴い、これまで投薬期間の上限がなかったこの2剤について、30日を上限とすることを決めた。2剤の向精神薬指定理由について厚労省医薬・生活衛生局の伊澤知法監視指導・麻薬対策課長は「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査を踏まえた」と説明した。

同調査は、精神科医療の現場における薬物関連精神疾患の実態を把握するために厚生労働科学研究費補助金で実施されているもので、約1600の対象施設において入院あるいは外来で診療を受けた「アルコール以外の精神作用物質使用による薬物関連精神障害患者」のすべてを対象症例としている。

2014年度調査(14年9〜10月)では、処方薬(睡眠薬・抗不安薬)が主たる薬物であるかどうかにかかわらず、現在もしくは過去において乱用したことのある処方薬の薬剤名に関する情報を収集。調査対象となった全1579人のなかで、処方薬乱用のエピソードを持つ患者が用いた薬剤(10人以上)をリストアップした。

その結果、最も多くの患者が乱用していた薬剤は、エチゾラム(デパス、120人)であり、次いでフルニトラゼパム(サイレース、101人)、トリアゾラム(ハルシオン、95人)と続き、ゾピクロン(アモバン、12人)も入っていた。リストに入った薬剤のうち、向精神薬に指定されておらず、投薬期間の上限がなかったのがエチゾラムとゾピクロンだった。

中医協では、花井十伍委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)が2剤の向精神薬指定経緯をただしたのに対して、伊澤課長は「実態調査において、抗不安薬、睡眠薬の中でエチゾラムの使用が最も多く、ゾピクロンはすでに指定されている他の向精神薬と同じくらい使用が多いという観点から指定に至った」と答えた。

なお、まだ上限日数がない薬剤の中には、抗不安薬ではタンドスピロン(セディール)、トフィソパム(グランダキシン)、フルタゾラム(コレミナール)、フルトプラゼパム(レスタス)、メキサゾラム(メレックス)などが、睡眠薬ではエスゾピクロン(ルネスタ)、スボレキサント(ベルソムラ)、ラメルテオン(ロゼレム)、リルマザホン(リスミー)などがある。

■セミナー便り

日米政策決定者が一堂に、糖尿病中心に意見交換
-慢性疾患管理に関する日米討論会-

日本医師会、「慢性疾患と戦うパートナーシップ」(PFCD)および米国研究製薬工業協会(PhRMA)が9月29日、「慢性疾患管理に関する日米討論会」を開催した。会合は上記3団体のほか、厚生労働省、AMED、日本薬剤師会、日本製薬工業協会、EFPIA、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会、日本医療政策機構など幅広い医療関係者が集まり、糖尿病を中心に慢性疾患管理に関する意見交換を行った。

PFCDは米国の患者団体、経済団体、医療従事者団体、製薬企業、保険者、学会など120団体・企業で構成される組織で、疾患啓発を行うほか、関係者を一つの場に集め会合を開き、その議論を基に政策を提供することもある。なお、主催者は、今回の討論会の模様を報告書などの形で公表するかどうか未定としている。

討論会後の記者会見でPFCDエグゼクティブ・ディレクターのケヴィン・ウォーカー氏は「これだけたくさんの関係者が集まれたこと自体が大きな前進」と評価した上で「会合では患者団体、製薬企業、医療従事者が一丸となって、予防に取り組むこと、アドヒアランス、そして疾患の管理に対応することが重要だという認識が生まれた」と語った。

PhRMAのスティーブ・ユーブル理事長は「本日の討論会の中では医療費の償還制度についても話し合いをした」と議論の一部を紹介。「患者の方1人を中心として様々な観点から治療する必要がある。そのためには制度内の様々なステークホルダーが協力し、よりお互いに調節して対応する必要がある。しっかりとイノベーションが評価されるような制度に着目してほしい。目の前の価値だけでなく、慢性疾患を治療した時にどのような影響が出るのか長期的な価値を評価してほしい。慢性疾患は医療費の多くを占めるが、バイオ医薬品はそうした状況を改善できる」と指摘した。

日本医師会の羽鳥裕常任理事は「今回はPhRMAの企画で会合を行ったわけですが、生活習慣病に関しては医薬品の必要度は高いのですが、糖尿病は医薬品と共に食事と運動も基本であるということも含めて勉強しながら我々日本医師会の取り組みを紹介した。日本医師会も糖尿病の専門医だけでなく非専門医の方にも関心を持っていただくと同時に積極的にかかわっていただくことが大事であるという認識ですので、その面で新しい教育システムなどを考えていきたい」と話した。

日本糖尿病学会の門脇孝理事長は「食事療法については保険点数が今年度から3倍に増加してまだ不十分だが手当てはされている。ところが運動療法については保険点数がまったくついていない。これについて国が保険点数をつけるように申し上げた」と語り、医薬品については「糖尿病の治療が血糖値を当面下げるという手段はたくさんできてきたが、まだまだ対症療法である。長期間にわたって血糖値を下げ、合併症を抑制するといったニーズには十分に応えていないと申し上げました。同じ糖尿病といってもそれぞれ病態や体質は様々なので、今後は糖尿病の体質をさらに解明をして、個々人の体質に最も合った個々の患者さんが食事や運動の負担がそれほど多くなくても継続的に長期的によく効くような薬物が必要であると申し上げた」と述べ、糖尿病合併症で毎年1万6000人が新たに透析に入り、1年間500万円として、年間医療費が800億円ずつ積み上がることを問題視、それへの取り組みを進める必要性を強調した。

■学会トピックス

「心不全の新たな薬物治療の展望」でシンポ
-第64回日本心臓病学会学術集会-

第64回日本心臓病学会学術集会(会長=代田浩之順天堂大大学院循環器内科学教授)が9月23日〜25日、「進化する臨床心臓病学」をメーンテーマに東京国際フォーラムで開催された。

国立循環器病研究センター臨床研究部の朝倉正紀臨床研究企画室長らが進めているのが、急性心不全に対するアルドステロン拮抗薬の開発。2013年6月から「EARLIER医師主導治験」(心筋保護を考慮した新しい急性心不全治療薬としてのエプレレノンの有効性を検討する臨床試験)としてスタートした。

急性期にエプレレノンを投与開始することにより、投与6カ月間における複合エンドポイント(心血管死または心血管疾患による初回再入院)の発生を抑制することを、プラセボを対照として評価することを目的としている。複合エンドポイントの発生傾向がEPHESUS試験の結果と一貫していることを確認し、最終的に急性心不全治療薬としてのエプレレノンの承認を目指している。

また、シンポジウムでは、「がん領域では症例ごとに最適な分子標的を同定し治療薬を選択するテーラーメード医療が行われているが、心不全領域では端緒についたばかり」と指摘した札幌医大循環器・腎臓・代謝内分泌学の矢野俊之助教は、「mTORC1阻害薬による拡張型心筋症(DCM)の心筋生検ガイド下分子標的治療」について報告した。

mTORC1とは、細胞の成長・増殖を促進する一方で、過剰な活性化により細胞の恒常性維持に必要なオートファジーを抑制。TSC遺伝子異常によるmTORC1が恒常的に活性化する結節性硬化症ではDCMを合併する。動物実験ではmTORC1阻害薬がDCMマウスの左室リモデリングを抑制することが知られている。

矢野氏らはmTORC1阻害薬がオートファジー促進を介して、不全心における主要な細胞死の機序であるネクロプトーシスを軽減したことを報告し、「心筋生検ガイド下で分子標的を同定し、適切な治療法を選択することにより、より効果的な分子標的療法が行われる可能性がある。mTORC1は、DCMの分子標的治療の候補である」と述べた。

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