メディマーケリサーチ
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医薬品マーケティングに携わるみなさまにとって、気になる、知りたかったテーマでの調査をメディマーケ+が独自に実施。みなさまに有益となる調査結果を、今後随時更新予定。

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第2回「高齢者の世帯年収・資産額と予防接種に対する意向の関係調査」

医薬品マーケティングに携わるみなさまにとって、気になる、知りたかったテーマでの調査をメディマーケ+が独自に実施する、メディマーケリサーチのコーナー。

第2回目は、65歳以上の高齢者で年に1回以上通院する310名を対象に「高齢者の世帯年収・資産額と予防接種に対する意向の関係」調査を実施し、健康に対する意識や健康のためにしていること、予防接種やワクチンに対する意識などを調査し、世帯年収・資産額によるクラス分類別に解析しました。

その結果、健康のために1ヶ月に1万円以上使える人の割合は世帯年収・資産額によるクラスが上がるにつれて増加し、最上位層と最下位層では11.6倍の差がみられました。また、ワクチンの有効性を費用よりも重視する人が全体の61.3%と過半数を占め、世帯年収・資産額が上がるほどその割合が増加していることも明らかになりました。
結果の概要を以下の通りご報告いたします。

 

調査の概要

調査対象: 65歳以上の高齢者で年に1回以上通院する310名
調査方法: インターネットによるアンケート調査
調査会社: 株式会社マクロミル
調査期間: 2016年11月25日(金)~2016年11月26日(土)

 

世帯年収・資産額によるクラス分類別解析

以下のように世帯年収・資産額によるクラス分類を行い、クロス集計を実施しました。

  • クラス1
    世帯年収200万円未満で資産額500万円未満
  • クラス2
    世帯年収200~400万円未満で資産額1000万円未満 もしくは 世帯年収200万円未満で資産額500~1000万円未満
  • クラス3
    世帯年収400~800万円未満で資産額5000万円未満 もしくは 世帯年収400万円未満で資産額1000~5000万円未満
  • クラス4
    世帯年収800~2000万円未満で資産額1億円未満 もしくは 世帯年収800万円未満で資産額5000万~1億円未満
  • クラス5
    世帯年収2000万円以上 もしくは 世帯年収2000万円未満で資産額1億円以上

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結果の概要

普段、自身の健康を気にかけている人は全体のおよそ9割

普段、自身の健康を「とても気にしている」「やや気にしている」と回答した人は276/310名(89.0%)で、世帯年収・資産額によるクラス分類別にみると、クラス5(最上位層)(100.0%)、クラス1(最下位層)(93.3%)、クラス4(91.2%)、クラス3(89.5%)、クラス2(84.2%)の順になりました。

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健康のために1ヶ月に1万円以上使える人の割合は世帯年収・資産額によるクラスが上がるにつれて増加し、最上位層と最下位層では11.6倍の差

健康のために使える1ヶ月あたりの金額を世帯年収・資産額によるクラス分類別に解析した結果、1万円以上使えると答えた人の割合はクラス1(最下位層)(6.7%)~クラス5(最上位層)(77.8%)とクラスが上がるにつれ増加し、クラス1とクラス5では11.6倍と大きく差が開きました。クラス1では86.7%が5000円未満と回答した一方、クラス5では44.4%が2万円以上と回答しています。

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+ 健康のために日頃から行っていることとして予防接種を挙げた人はおよそ5割に

健康のために日頃から行っていることは、「食事に気をつかう」(250/310名〈80.6%〉)、「自宅での体操・筋トレやウォーキングなどをしている」(163/310名〈52.6%〉)、「インフルエンザなどの予防接種を受ける」(142/310名〈45.8%〉)の順になりました(複数回答可)。
また、「インフルエンザなどの予防接種を受ける」を挙げた142名をクラス分類別に解析したところ、クラス5(66.7%)、クラス1(53.3%)、クラス4(49.1%)、クラス3(46.4%)、クラス2(38.2%)の順にその割合が多くなり、健康を気にかけている人の割合と同じ順番になりました。

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なお、「インフルエンザなどの予防接種を受ける」を挙げた142名が受けている予防接種の種類は、「インフルエンザ」(140/142名〈98.6%〉)、「肺炎球菌」(80/142名〈56.3%〉)の2つがほとんどでした。

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クラス1では健康のために使える1ヶ月あたりの金額が少ないものの、低所得者層に対するインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種費用免除制度などを備えた自治体が多いため、予防接種を受けている割合が最上位層であるクラス5に次いで多くなったものと考えられます。

 

+ ワクチンの有効性を費用よりも重視する人が全体の6割超で、世帯年収・資産額が上がるほどその割合が増加

1回接種で有効率50%、3000円のワクチンと、2回接種で有効率ほぼ100%、合計1万円のワクチンのどちらを接種したいかという質問では、後者の“有効率も接種費用も高いワクチン”を選んだ人が全体の61.3%(190/310名)にのぼりました。

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クラス分類別に解析した結果、“有効率も接種費用も高いワクチン”を選ぶ割合は、クラス1(最下位層)(33.3%)、クラス2(56.6%)、クラス3(60.8%)、クラス4(73.7%)、クラス5(最上位層)(77.8%)とクラスが上がるにしたがって上昇しています。クラス2以上(世帯年収200万円以上かつ資産額500万円以上)では、ワクチンの有効率を重視する人の方が費用を重視する人よりも多くなりました。

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今回の調査によると、健康を気にかけている人の割合は89.0%(276/310名)で、世帯年収・資産額によるクラス分類別にみると、健康を気にかけている人の割合は多い方からクラス5(最上位層)(100.0%)、クラス1(最下位層)(93.3%)、クラス4(91.2%)、クラス3(89.5%)、クラス2(84.2%)の順になりました。

また、健康のために使える1ヶ月あたりの金額を解析した結果、1万円以上使えると答えた人はクラスが上がるにつれ増加し(クラス1〈6.7%〉~クラス5〈77.8%〉)、11.6倍と大きく差が開く結果となりました。クラス1では86.7%が「5000円未満」と回答した一方、クラス5では44.4%が「2万円以上」と回答しています。

健康のために日頃から行っていることで予防接種を挙げた人は「食事に気をつかう」(250/310名〈80.6%〉)、「自宅での体操・筋トレやウォーキングなどをしている」(163/310名〈52.6%〉)に続く3番目に多く、その割合は45.8%(142/310名)でした。

予防接種を挙げた142名を解析したところ、クラス5(66.7%)、クラス1(53.3%)、クラス4(49.1%)、クラス3(46.4%)、クラス2(38.2%)の順にその割合が多くなり、健康を気にかけている人の割合と同じ順番になりました。

また、予防接種の種類は「インフルエンザ」(140/142名〈98.6%〉)、「肺炎球菌」(80/142名〈56.3%〉)の2つがほとんどであり、クラス1では健康のために使える金額が少ないものの、低所得者層に対するインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの自己負担免除制度などを備えた自治体が多いため、予防接種を受けている割合がクラス5に次いで多くなったものと考えられます。

一方で、1回接種で有効率50%、3000円のワクチンと、2回接種で有効率ほぼ100%、合計1万円のワクチンのどちらを接種したいかという質問では、後者の“有効率も接種費用も高いワクチン”を選んだ人が全体の61.3%(190/310名)にのぼりました。クラス分類別に解析した結果、“有効率も接種費用も高いワクチン”を選ぶ割合が、クラスが上がるにしたがって増加しています(クラス1〈33.3%〉~クラス5〈77.8%〉)。クラス2以上(世帯年収200万円以上かつ資産額500万円以上)ではワクチンの費用よりも有効率をとる人が多くなっており、ワクチンに関しては有効性をより重視する傾向がみられました。逆に、クラス1では健康を気にかけている割合や予防接種を受けている割合も高いことから、有効性が高いワクチンを受けたいが、費用が高いと受けられないという状況にあると考えられます。

予防接種によって病気を未然に防ぐことができれば、本人の身体的・経済的負担が減るだけでなく、健康寿命の延伸、ひいては医療費の減少にもつながると考えられます。すでに接種費用補助や自己負担免除の制度が整っているインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンのように、本人の経済状況にかかわらず、効果の高いワクチンの接種を受けられることが望まれます。


※本調査の結果の詳細は別添の実施報告書(PDF:2.03MB)をご参照ください。

 

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