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●●●セミナー開催のお知らせ●●●
日時:平成30年8月29日 11:00~16:30 会場:如水会館
薬業経営戦略講座

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■記者会見
1.新本社を公開「東京に本社を持ち続ける」-武田薬品:クリストフ・ウェバー社長-
■セミナー便り
1.新製品「日米欧で同時に上市したい」-アッヴィ:ティアゴ・ロドリゲス氏-
■行政トピックス
1.予防接種・ワクチン分科会小委 6月28日 ムンプス難聴「過小評価の可能性」

■記者会見

1.新本社を公開「東京に本社を持ち続ける」
-武田薬品:クリストフ・ウェバー社長-

武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は7月2日、東京・日本橋本町のグローバル本社のグランドオープンに合わせて会見を行い「売上げの70%、従業員の80%は海外だが、日本に本社を持っている。将来的に90%が海外の従業員になったとしても、全体像は変わらないし、東京に本社を持ち続ける」と語った。

武田の従業員数は世界全体で3万人。そのうち1000人がグローバル本社で勤務する。社内は原則個室がなく開放的なフロアになっており、フリースペースを多く設けた。ウェバー社長は「フレキシブルで透明性ある共同的な環境をつくりたかった。コミュニケーションが促進され労働環境としてヒエラルキーを感じないような。会社としてこのような環境がつくられればさらに成功できるだろうと確信している」と言う。

加えて、会議室の7割がテレビ会議室になっているというように海外拠点との連携を重視した。グローバル化に伴い海外との電話会議やテレビ会議が増える中で、旧本社は会議室やテレビ会議室が足りないという課題があった。ウェバー社長は「テレビ会議などができる部屋を多く備えており、海外とのつながりをしっかり持っていきたい。オフィスによって強弱はあるが、重要なのはオフィスをしっかりつないでいくこと。簡単に海外の同僚とのやりとりができることを非常に重要視している」とした。
8月からは新しいフレックス制度を導入予定。出社や退社の時間が自由なだけでなく、昼間も仕事を抜けることができる。同社の福富康浩経営企画部長は「休憩してもいいし友達と遊びに行ってもいい。個人が成果を出しさえすればどんな働き方をしてもいいという制度に変える」とした。

■セミナー便り

1.新製品「日米欧で同時に上市したい」
-アッヴィ:ティアゴ・ロドリゲス氏-

アッヴィのティアゴ・ロドリゲス氏(グローバルマーケティング&コマーシャルオペレーションヴァイスプレジデント)は6月26日のヒュミラ10周年記念メディアセミナーで「ヒュミラは日本で5年も上市が遅れていたが、新製品はアメリカやヨーロッパと同時に上市したい」と語った。ヒュミラは国内で08年に上市した。新製品のIL-23阻害剤リサンキズマブは乾癬を適応症として米国で4月、欧州と日本で5月に承認申請を行った。もう一つの新製品であるJAK阻害剤ウパダシチニブは関節リウマチを適応症として世界同時開発を進め第3相を実施中だ。

講演では慶大医学部リウマチ・膠原病内科の竹内勤教授、北里大北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センターの日比紀文センター長、聖母病院の小林里実皮膚科部長がそれぞれの領域で生物学的製剤が登場したことにより治療効果が向上したことを紹介したほか今後の展望を語った。その中で竹内教授は「ヒュミラが10年にわたって日本で使われた結果、多くの治療成績の向上が認められたが、それですべてリウマチ治療が完結したかというとそうではない」として課題の一つに生物学的製剤の免疫原性を挙げた。生物学的製剤は繰り返し患者に投与すると一部の患者にアレルギー症状が出ることがある。

竹内教授はそれを補うため「JAK阻害剤の開発が進んでいる」と紹介。ウパダシチニブの日本人の関節リウマチ患者を対象にした第2b/3相SELECT-SUNRISE試験は「3カ月目という早い時期に臨床的寛解を達成できることが画期的なデータだと思う。今後アダリムマブとの比較試験の成績が発表されるだろうし、他のJAK阻害剤との比較も学会で報告されるだろう。非常に期待される薬剤が生物学的製剤の次の時代を担う中核として注目されている状況だ」とした。

 

■行政トピックス

1.予防接種・ワクチン分科会小委 6月28日
ムンプス難聴「過小評価の可能性」

予防接種推進専門協議会の岩田敏委員長(国がん中央病院感染症部長)は6月28日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会で、「おたふくかぜによる難聴の疾病負担が、これまで過小評価されていた可能性がある」と指摘し、「リスクベネフィットの観点から、おたふくかぜワクチンを早期に定期接種として導入する必要がある」と訴えた。

おたふくかぜワクチンは、厚労省が定期接種化を検討しているワクチンの一つ。昨年9月、日本耳鼻咽喉科学会が「ムンプス難聴の大規模全国調査」結果を公表。これを受け、今年5月、同協議会は厚労省に「定期接種化に関する要望書」を提出。この日、学会および協議会からのヒアリングに至った。

その全国調査によると、15年1月~16年12月までの2年間で、359人がムンプス難聴と診断されていたことが分かった。小委において、同学会・乳幼児委員会の守本倫子氏(国立成育医療研究センター診療部長)は、詳細が判明した335人について説明。男女比は156人(46.5%)対179人(53.5%)で、幼児・学童期および予防接種を受けていない子育て世代に罹患のピークが認められた。

罹患耳は、一側難聴が320人(95.5%)、両側難聴が15人(4.5%)。335人中305人は難聴として障害が残り、一側難聴263人、両側難聴13人は最終的に高度以上の難聴になった。付随合併症状は、めまい131人(39.1%)、耳鳴142人(42.4%)、唾液腺腫脹247人(73.5%)。つまり、335人から247人を除いた88人(26.5%)が、おたふくかぜの特徴的な症状である唾液腺腫脹がなく(不顕性感染)、おたふくかぜとは気づいておらず、守本氏は「不顕性感染があるため、ムンプス難聴症例は(359人より)もっと多かったと推測される」と述べた。
おたふくかぜワクチンをめぐっては、89年にMMRワクチン(M:麻疹=はしか、M:ムンプス=おたふくかぜ、R:風しん)が定期接種化されたが、その中に含まれる、おたふくかぜワクチンによる無菌性髄膜炎の副反応が多発し、接種が中止になった経緯がある。

現在、国内で承認を取得している、おたふくかぜワクチンには『おたふくかぜ生ワクチン「北里第一三共」』および『乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン「タケダ」』があるが、単独での任意接種であり、接種率は30~40%にとどまったまま、3~4年周期でおたふくかぜが流行しているのが実情だ。岩田氏は「副反応として問題となる無菌性髄膜炎の発生頻度は、最近の調査では低下している」と指摘した。

2013年7月の予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会では、「仮に広く接種するに当たっては、より高い安全性が期待できるワクチンの承認が前提であり、新たなMMRワクチンの開発が望まれる」との方針が確認されている。厚労省がメーカーに開発状況を聞き取り調査したところ、ジャパンワクチンが第3相試験を準備中、化血研が承認申請中(03年2月に申請も、審査が継続中)だ。このうちジャパンワクチンの方は、日本人小児で使用経験のある北里第一三共ワクチンのMRワクチンのウイルス株と、GSKの海外で安全性の確認されているLeryl-Lynn由来ムンプスワクチン株から構成される、日本独自処方のMMRワクチンという。

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