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■行政トピックス
1.中医協薬価専門部会 6月14日 新薬創出等加算、対象品目や企業を限定へ
2.中医協費用対効果評価専門部会 6月14日 一般人対象に「支払い意思額」調査へ
■記者会見
1.「製品開発加速、デリバリー戦略にも取り組む」-GHITファンド:BTスリングスビーCEO-
2.既婚女性の3人に1人が不妊に悩み-徳島大学:苛原稔教授-

■行政トピックス

1.中医協薬価専門部会 6月14日
新薬創出等加算、対象品目や企業を限定へ

中医協薬価専門部会は6月14日、薬価制度抜本改革に向け、試行中の新薬創出等加算の在り方をテーマに議論した。昨年末に閣議決定された「薬価制度抜本改革基本方針」には、同加算の「ゼロベースでの見直し」が明記され、制度化を強く求めてきた製薬業界の危機感が高まっていたが、この日、厚労省は対象医薬品の範囲や、対象となる製薬企業の要件を厳格化する方向性を提示。中医協委員から異論は出ず、大幅なルール変更が確実になった。

新薬創出等加算は、適応外薬等の問題の解消促進や革新的な新薬の創出加速を目的に2010年度薬価改定時に導入され、前回16年度改定まで試行が継続されてきた。平均乖離率を指標として、それ以下の品目が加算対象となるが、「他の医薬品に比べて市場実勢価格があまり下がっていないということだけで加算対象となるなど、イノベーションの評価といった観点からも問題の多い仕組み。新薬創出加算は廃止し、国民負担軽減を」(財政制度等審議会)との指摘があった。

また、年末の抜本改革基本方針には「真に有効な医薬品を適切に見極めてイノベーションを評価する」、6月9日に閣議決定された骨太方針には「革新性のある医薬品に対象を絞る」と明記され、大幅なルール変更は必至だった。

厚労省は、論点として、平均乖離率を指標とし続けるべきかどうかや、新規性の乏しい新薬の薬価算定に適用される類似薬効比較方式Ⅱを含めてすべての算定区分の品目が対象となる現状をどう考えるか、製薬企業の要件も検討の必要があるのではないか、と中医協委員に議論を求めた。特に製薬企業の要件については、「新薬開発投資率」「世界同時開発(国際共同治験)の実施」「産学連携への取り組み」を指標として、その達成度・充足度に応じて加算額に段階を設けていく仕組みを提案した。

議論では、幸野庄司委員(健保連理事)、中川俊男委員(日医副会長)が、「見直した後で直ちに本制度に移行するのではなく、試行継続の中での見直しを」と主張。中山智紀薬剤管理官は「試行の継続、制度化の両方の可能性があることを踏まえながら検討したい」と答えた。

具体的なルール変更に関して、吉森俊和委員(協会けんぽ理事)は「客観的な有効性・安全性、費用対効果から他の医薬品に対して優れているものにピンポイントで加算できるような大胆な要件の見直しが必要」「あくまで画期性のある革新的な新薬を対象とすべきで、類似薬効比較方式Ⅱで算定された品目や新医療用配合剤等については対象から外すことが妥当」「新薬開発投資率等の指標を設けて一定の定量的な基準以上の企業に加算することや、指標が数値化できるのであれば、達成度合いに応じて加算額に差を付けることを検討してもよいのではないか」との見解を示した。

幸野委員は「対象を厳選するのであれば、平均乖離率未満というのは革新性を示す指標ではないため見直すべきであり、個々の医薬品の革新性を測るものさしを作って選定すべき。企業の選別については、ある程度の開発の実績を求めていくべき」と述べた。

中川委員は「平均乖離率以下というのは、見直すべき」としたほか、「先発メーカーの再編を、きょうの中医協の議論が加速する要因になるのかということも含めて注視する必要がある」と述べた。

吉森委員が、類似薬効比較方式Ⅱで算定された品目の加算対象からの除外に言及したのに対しては、中山薬剤管理官が「同時期に革新的新薬の開発が競合したり、患者・医療現場での有用性が高まるような改良がなされたりする場合もあり得るといった事情もあり、中身について精査しながら検討していきたい」とコメント。

専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬)も「既存薬が安全の面で使えなかった患者に、安全性が改善された新薬の使用が可能になる、あるいは耐性の問題があって、一定数の新薬が開発されないと患者の治療に困難を生ずる領域もある」とし、一括りにせず、丁寧な議論を求めた。

なお、収載時に類似薬効比較方式Ⅱで算定されて、16年度改定時に新薬創出等加算の対象となった新薬には、タケキャブ、ザファテック、シムジア、トルリシティ、ランタスXR、トビエース、ルネスタなどがある。

 

2.中医協費用対効果評価専門部会 6月14日
一般人対象に「支払い意思額」調査へ

厚生労働省は6月14日、厚生科学研究費で実施する国内の「支払い意思額」の調査方法について、中医協費用対効果評価専門部会に報告した。無作為に抽出した一般の人を対象に「完全な健康状態で1年間生存することを可能とする(1QALY)医薬品・医療機器等の費用がX円(X円/QALY)であるとき、公的保険から支払うべきと考えるかどうかを『はい』または『いいえ』の選択肢で尋ねる」というもの。得られた支払い意思額(X円/QALY)は、ICER(増分費用効果比)を用いて、費用対効果が良いか、悪いかを判断する際の重要な基準となる。

ICERとは、医薬品Bから医薬品Aに治療が置き換わった場合に、「費用がどれくらい増加するか」を「効果がどのくらい増加するか」で割って算出するもの。ちなみに、「効果がどのくらい増加するか」は、質調整生存年(QALY)で計り、「QoLスコア(1~0、完全な健康~死亡)」に生存年数を掛けて算出する。例えば、健康状態がQoLスコア0.7 で、一定の状態で2 年間生存した場合、QALYは0.7×2で1.4となる。

医薬品Bから医薬品Aに治療が置き換わった場合に、費用が300万円増加したのに対して、効果が0.4 QALY増加した場合に、ICER(円/QALY)は750万円となる。このICERの値(750万円)と、今回調査する「支払い意思額」の分布を比較することで、費用対効果が良いか、悪いかが決まる。ただし、仮に750万円が「費用対効果が悪い」になった場合でも、総合評価(アプレイザル)で「予後が悪い小児特有の疾患を対象としている」など、倫理的、社会的影響等が考慮された結果、最終的に「費用対効果は受け入れ可能」となる場合もある。

今後、同専門部会では、対象品目や医療技術の選定の在り方、費用対効果評価の反映方法などの検討を進め、関係団体からの意見聴取を経て、夏ごろをめどに中間取りまとめを行うことにしている。

 

■記者会見

1.「製品開発加速、デリバリー戦略にも取り組む」
-GHITファンド:BTスリングスビーCEO-

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHITファンド)のBTスリングスビーCEOは6月1日の記者会見で「第2期では必ず製品を出す」と抱負を述べた。同ファンドは18年度から22年度までの第2期の資金として200億円を確保した。100億円は日本政府、残りの100億円は民間企業およびビル&メリンダ・ゲイツ財団が拠出している。この資金を基に、スリングスビーCEOは「これまで投資してきた製品開発をさらに加速させることと、製品をいかに届けるかというデリバリー戦略をきちんと構築していく」とした。

同ファンドは開発途上国に蔓延する感染症(HIV/AIDS、マラリア、結核、顧みられない熱帯病など)に対する製品開発に投資を行っている。現在まで61件のプロジェクトに対し、100億円を投資し、39件が進行中だ。6件が臨床入りしており、最も進んでいる案件はアステラス製薬が参画している住血吸虫症の小児用製剤開発で、順調に行けば今年末にも第3相試験を開始する。

 

■セミナー便り

2.既婚女性の3人に1人が不妊に悩み
-徳島大学:苛原稔教授-

徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科分野の苛原稔教授は6月13日、メルクセローノ主催のメディアセミナーで講演し、不妊治療について解説した。同社が実施したインターネット調査「妊活および不妊治療に関する意識と実態調査」の事前調査(20~40代の一般男女2万6689人が対象。うち既婚男性は6866人、既婚女性は8310人)では、既婚女性の3人に1人(32.9%)、既婚男性の4人に1人(25.7%)は不妊に悩んだことがあると回答。既婚男性の11.6%、既婚女性の14.1%が不妊治療を経験したと答えた。

本調査(妊活経験のある既婚男女600人)では不妊症を自覚してから実際に受診をするまで「半年以上かかった」が4割を占めた。患者が治療に望むものは 1.効果(妊娠確率) 2.安全性 3.費用の順番であることも分かった。

苛原教授はこの結果を受けて受診のしづらさを感じる背景にあるのは「妊娠や不妊について適切な情報を得る機会が少ないことがある」と指摘。「50代になっても子どもを妊娠して産めると思っている方もいる。色々な情報を伝えないとそういう誤解を招き、その方が不利を被るのではないかと思う」と続けた。

日本産科婦人科学会によると、不妊症とは生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず妊娠の成立をみない場合と定義している。その一定期間については1年というのが一般的であり、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない。不妊の頻度は国内10~20%と推計される。

不妊の原因によって治療法は異なり、卵管因子には手術療法やART(生殖補助医療技術、体外受精)、排卵因子には排卵誘発治療、男性因子には人工授精、男性側への手術療法・薬物療法、ARTが行われる。ARTは 1.ゴナドトロピンによる過排卵刺激 2.採卵 3.顕微授精 4.培養 5.凍結・融解 6.胚移植の過程を経る。

排卵因子に対する排卵誘発治療は、比較的軽症の場合、クロミフェン製剤やセキソビット製剤といった内服薬が使用され、苛原教授によると「クロミフェンが代表的。クロミフェンは症例別では結構排卵するが、排卵してもなかなか妊娠しづらい。飲み薬で簡単なのでよく使われる。多胎は5%」と解説。一方、比較的重症の場合は、注射薬のゴナドトロピン療法が行われる。周期当たりの排卵率は60~80%、周期当たりの妊娠率が10~20%ある。ゴナドトロピンについては「非常に効果が高い。ただ問題なのは多胎妊娠率が20%程度あること」と説明した。

メルクセローノは不妊治療領域を重点疾患領域の1つとしており、16年9月には国内でオビドレル(コリオゴナドトロピンアルファ遺伝子組換え)について、視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵または稀発排卵における排卵誘発および黄体化、生殖補助医療における卵胞成熟および黄体化の効能・効果で製造販売承認を取得。17年4月には生殖補助医療の培養室向け機器としてGeri+(胚の成長をモニターする低速度カメラを搭載した個別制御方式のインキュベータ)、Geri+により撮影された画像データを基に胚の成長を分析する診断システムEevaTestの医療機関への納品を開始している。

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