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■行政トピックス
1.中医協総会11月13日 ゾレアの花粉症使用でGL作成、施設・患者要件で縛り
■セミナー便り
1.単品単価交渉での販売を要望-製薬協:中山讓治会長-
■行政トピックス
1.キイトルーダ、来年2月に薬価17.5%引き下げ

■行政トピックス
1.中医協総会11月13日 ゾレアの花粉症使用でGL作成、施設・患者要件で縛り
■セミナー便り
1.単品単価交渉での販売を要望-製薬協:中山讓治会長-
■行政トピックス
1.キイトルーダ、来年2月に薬価17.5%引き下げ

 

■行政トピックス

1.中医協総会11月13日
ゾレアの花粉症使用でGL作成、施設・患者要件で縛り

花粉症治療に抗体医薬が登場へ-。ノバルティスファーマの抗IgE抗体ゾレアの「季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症または最重症患者に限る)」の適応追加が10月31日の薬食審医薬品第二部会を通過し、11月下旬にも正式承認(薬価収載済み)される。厚労省は11月13日の中医協総会に、承認に合わせて発出する予定の「最適使用推進GL」を提案し、了承された。

GLによると、第3相試験は、前スギ花粉症シーズンに既存治療で鼻症状が効果不十分であった12歳以上のスギ花粉症患者を対象に実施され、有効性はプラセボ群に対して優越性が検証された。安全性は既承認の効能・効果(気管支喘息、特発性の慢性蕁麻疹)で認められているものと同様だった。

2週間または4週間ごとに医療機関において皮下注射するが、▼耳鼻咽喉科、アレルギー科、小児科での診療に一定の知識、経験を有する医師が当該診療科の治療の責任者として配置されていること▼合併する他の疾患を担当する医師や生じた副作用に対する専門性を有する医師と連携が可能であり、直ちに適切な処置が実施できる体制であること-などを施設要件とした。

一方、患者要件として▼スギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎の確定診断がなされている▼血清特異的IgE抗体がクラス3以上▼点鼻ステロイドや抗ヒスタミン薬などといった治療で効果不十分である―などを挙げている。

投与期間について「日本人を対象とした臨床試験において、12週以降の使用経験はないため、12週以降も継続して投与する場合は、患者の状態を考慮し、その必要性を慎重に判断すること」を求めている。

支払い側の幸野庄司委員(健保連理事)は「国民病ともいえる花粉症の患者は非常に多く、このGLをもってしても1人当たり100万円にも及ぶ処方が大量に行われるのではないかと想定しており、この対処を事前に考えておく必要がある」と指摘した。

 

■セミナー便り

1.単品単価交渉での販売を要望
-製薬協:中山讓治会長-

製薬協の中山讓治会長(第一三共会長)は11月7日、日本医薬品卸売業連合会セミナーで「今後、中間年の薬価改定のあり方について議論がなされることになるが、単品単価での交渉を通じた医薬品個々の価値に基づく適正価格での販売が達成されなければ、メーカーと卸の共通財産である薬価は大変憂慮すべき事態に陥ると懸念している」と話した。

医療用医薬品の流通改善を巡っては、18年1月23日付で「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が発出され、同年4月から適用されている。

その中で、卸売業者と医療機関・保険薬局との関係において留意する事項として、▼早期妥結と単品単価契約の推進▼医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉の是正が挙げられている。

中山会長は「医薬品の価値を無視した過大な値引き要求がいまだに存在しているのでは、と感じるような事例を耳にすることがある」と指摘。その上で「メーカーとしては価格交渉はできないが、価格に関心を持つように日頃から社内でも話をしている。非常に大事な交渉、また非常に大変な交渉であることは重々承知しているが、卸の取り組みに大いに期待している」と語った。

 

■行政トピックス

1.キイトルーダ、来年2月に薬価17.5%引き下げ

厚労省は11月13日の中医協総会に、抗PD-1抗体キイトルーダの薬価17.5%引き下げを提案、了承された。来年2月1日から施行。18年4月の薬価制度抜本改革で導入された「薬価改定の際以外の再算定」ルールに基づく。年間販売額が1000億円超と巨額で、予想の1.5倍以上の品目を対象とする「市場拡大再算定の特例」を適用した。

キイトルーダは、17年2月1日付で緊急的に50%薬価を引き下げられたばかりのオプジーボを比較薬とする類似薬効比較方式(1日薬価合わせ)で薬価を算定。17年2月15日付で、非小細胞肺がん(単剤療法)および悪性黒色腫の適応で薬価収載された。収載時のメーカーによるピーク時予測販売金額は2020年度に544億円となっていた。

18年4月にはオプジーボが「用法・用量変化再算定」を受けたのに合わせて類似薬として11.1%薬価が引き下げられた。19年10月の消費税改定(1.9%引き上げ)を経て、来年2月から17.5%薬価が引き下げられることになった(表)。

収載時以降、キイトルーダの適応は▼非小細胞肺がん(併用療法)▼悪性黒色腫(術後補助療法)▼古典的ホジキンリンパ腫▼尿路上皮がん▼MSI-Highを有する固形がん―に拡大。19年11月25日の薬食審医薬品第二部会では、腎細胞がんと頭頸部がんの適応追加が通過する見通し。

IQVIAがまとめた「トップライン市場データ」によると、キイトルーダの19年度の四半期ごと売上げ推移は、4~6月316億円(全品目中1位)、7~9月373億円(1位)となっていた。

「薬価改定の際以外の再算定」とは、「効能追加等がなされた医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を最大限活用して、薬価を見直す」というもの。

具体的には、厚労省はNDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)により市場規模を確認する範囲を(1)効能追加等がなされた医薬品(効能追加等により市場が大幅に拡大するものの把握のため)(2)収載時に、2年目の販売予想額が100億円(原価計算方式)または150億円以上(類似薬効比較方式)とされたもの(発売当初から当初予測を超え大幅に市場拡大するものの把握のため)―と規定。

この中から、現行の市場拡大再算定(特例を含む)の要件に該当するものについて、現行の算式に従い再算定を行うこととしている。ただし、「四半期ごとの薬価の再算定は、医療機関・薬局、卸、製薬企業に極めて大きな負担がかかるため、一定程度、市場規模の大きなもの」として、年間販売額が350億円を超える医薬品に限定した。

厚労省は6月診療分のNDB実績を9月にデータ抽出。10月の薬価算定組織において市場拡大再算定(特例を含む)の要件に該当すると判断。中医協に提案し了承されたもの。「市場拡大再算定の特例」ルールでは、年間販売額が1000億円を超えて市場規模予測の1.5倍を超えた場合、最大引き下げ幅は25%だが、キイトルーダは17.5%と算出された。

米メルクが10月29日発表した19年7~9月期決算によると、キイトルーダのグローバル売上げは前年同期比62%増の30億7000万ドルと、30億ドルを突破。1~9月の累計は79億7300万ドルに達している。

キイトルーダ薬価の推移

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