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■セミナー便り
1.遺伝子検査から治療薬開発に繋げることが重要-国立がん研究センター東病院:後藤功一呼吸器内科長-
■行政トピックス
1.オンライン診療検討会議 6月10日 緊急避妊薬オンライン診療化の枠組みが決定

■セミナー便り
1.遺伝子検査から治療薬開発に繋げることが重要-国立がん研究センター東病院:後藤功一呼吸器内科長-

■行政トピックス
1.オンライン診療検討会議 6月10日 緊急避妊薬オンライン診療化の枠組みが決定

 

■セミナー便り

1.遺伝子検査から治療薬開発に繋げることが重要
-国立がん研究センター東病院:後藤功一呼吸器内科長-

サーモフィッシャーサイエンティフィックとノバルティスファーマは6月10日、「肺がん診療におけるゲノム~新たな展開へ~」と題したメディアセミナーを共催した。2019年5月から6月にかけて、「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」(中外製薬)や「OncoGuide NCCオンコパネルシステム」(シスメックス)、「オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム」(サーモフィッシャーサイエンティフィック)が相次いで保険適用ならびに販売開始となるなど、がんに関するゲノム医療が注目を集めるなか、改めて検査システムの説明を行い、正しい理解を求めるものとなった。

最初に登壇した東京大学大学院医学系研究科次世代病理情報連携学講座の佐々木毅特任教授は、「コンパニオン診断と遺伝子パネル検査ゲノム医療体制のupdateに含めて-」をテーマに講演。まず、佐々木教授自身も厚労省のワーキンググループに参加して推進している「がんゲノム医療の提供体制の整備」に関して、現行のがんゲノム医療中核拠点病院11カ所に加えて、本年9月1日付でがんゲノム医療拠点病院30数カ所を指定。中核拠点病院または拠点病院に連携するがんゲノム医療連携病院も認定し、新たな連携体制を構築することを紹介した。そして、遺伝子パネル検査は中核拠点病院、拠点病院、連携病院を窓口にして行われ、検査結果等を踏まえた検討会(エキスパートパネル)も従来の中核拠点病院のみならず、拠点病院でも行われることが決定しているとした。

また、「遺伝子パネル検査とコンパニオン診断を混乱している方々がいる」ことから、両者の違いを説明。主な特徴として、遺伝子パネル検査は▼実施できる施設が限られる▼新たな治療法(治療薬)が見つかる確率は高くない(約10数%程度)▼包括的なプロファイル検査を前提とした測定機器としての分析性能の評価は高い-を挙げた。

一方、コンパニオン診断は▼施設を限定せずに実施可能▼診断結果が承認薬による治療に直結▼一つのマーカーに対する高い診断的中率を誇るが、段階的に検査するために診断までの時間が必ずしも迅速ではない-などを挙げていた。

次に登壇した国立がん研究センター東病院の後藤功一呼吸器内科長は「肺がんの遺伝子変化を標的とする有効な治療薬を患者さんへ届ける!~肺がんにおけるコンパニオン診断と個別化医療~」と題して講演。遺伝子パネル検査やコンパニオン診断に基づく個別化医療にとって、今後推進していくために重要となることを説明した。

始めに、ゲノム医療について主な対象となっているのは、肺がんの中でも非小細胞肺がんであり、その大半を占めている腺がん(肺がん全体の約60%)であることを解説。肺がんは他のがん種と比較しても遺伝子変異の数が多く、そのため従来の抗がん剤だけではなく、遺伝子解析に基づいて対象を選択する分子標的治療薬の開発が進められている。

そこで、がんの発生や増殖に大きく関わるキーとなるドライバー遺伝子の早期発見が求められており、遺伝子検査の重要性は高まっている。

これらを踏まえて、後藤呼吸器内科長は「今日お伝えしたいことは、ゲノム医療やほぼ同等の意味である個別化医療において、医療であるからには、遺伝子検査をすることが真の目的ではないということ。遺伝子検査に基づいて、有効性の高い治療薬を患者さんへ届けることが可能になって初めて、ゲノム医療と呼べる」と強調。今回、複数の検査が承認されたことによって、一部で「遺伝子検査=ゲノム医療」と捉えられる報道がされたことに対して、警鐘を鳴らした。

さらに、遺伝子検査にはコンパニオン診断とプロファイリング検査があり、ゲノム医療の主体となるのは、治療薬と一対一での対応になっており、陽性になれば承認された有効な治療薬の投与が可能となるコンパニオン診断の方であると説明。

そのため、「プロファイリング検査は約60万円で保険収載されているが、本当に国民皆保険の中で導入していいのか、もう一度立ち止まって考えてほしい。研究者としては面白いが、実際にゲノム医療として患者さんのもとへ薬を届けることに関しては、現状ではそれほど役に立っていない」と見解を示した。

ただし、この点については、佐々木教授は「今は標準的な治療薬がなくても、遺伝子変異を調べることで、治験に参加できる方々が見つかってきているという事実もある。そのため、決して無駄な検査もしくは研究でしかないということではなく、治験に参加できるチャンスが与えられるという意味では非常に意義があるので、保険収載は良いことだと評価している」とコメント。両氏とも功罪があることは認識しており、マスコミに対してディスカッションをするような機運を高めることを期待していた。

 

■行政トピックス

1.オンライン診療検討会議 6月10日
緊急避妊薬オンライン診療化の枠組みが決定

厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」は6月10日、緊急避妊薬のオンライン診療化を可能とする要件を取りまとめた。

オンライン診療において初診は対面診療が原則だが、検討会では、その例外として、緊急避妊薬ノルレボのオンライン処方を認めるに当って、要件等の議論を重ねてきた。

前回5月31日の検討会で厚労省は、オンライン処方を認める条件として、近くに受診可能な医療機関がない場合(▼地理的な要因の他、▼性犯罪による対人恐怖がある場合)に限定する考えを提示。

これに対して、山口育子構成員(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、ハードルが高過ぎるとして、「受診に精神的負担がある」を追加するよう求めたが、多くの医師の構成員がこれに否定的意見を示していた。

6月10日に厚労省が示した条件からは、「性犯罪による対人恐怖がある場合」が削除され、代わって「女性の健康に関する相談窓口等に所属するまたはこうした相談窓口等と連携している医師が女性の心理的な状態にかんがみて対面診療が困難であると判断した場合」と明記され、山口氏の意見を反映した内容に改められた。

性犯罪に限らず、さまざまなケースについて相談を受けた医師が、女性の心理的な状態を判断することになるが、山口氏は「地理的要因のみならず、内診の恐怖や抵抗感をはじめとする女性の心理的状態を医師がしっかり把握・判断しオンライン診療による適切な対応をすることで、より多くの緊急避妊を要する女性が救われる一助としての役割を果たしていただきたい」と意見書を提出した。

ただ、「対面診療で速やかに服用するのが女性にとっては一番いい」(厚労省の担当者)ことは事実であり、厚労省は、緊急避妊薬が適切に処方され得る医療機関を十分にリスト化し、そのリストに基づいて、さまざまな相談窓口を通じて、女性が適切な医療機関に対面診療で受診できるよう注力していく方針だ。

緊急避妊薬のオンライン診療化の枠組みは整ったものの、「世界的には各国の医療事情は異なるとはいえ、緊急避妊薬は76カ国で医師の処方箋なしで薬局の薬剤師によって販売され、19カ国で直接薬局で入手することが可能」(山口氏提出資料)であり、緊急避妊薬をスイッチOTC化すべきとの意見も少なくない。

ノルレボのスイッチOTC化の可否を巡っては、17年7月の厚労省の評価検討会議で議題に上がったことがあるが、日本産科婦人科学会や産婦人科医会が反対し否決。

これに関するパブリックコメントでは、348件の意見が寄せられ、対応策を講じれば将来的に賛成を含め320件がOTC化に賛成の意見だったが、同年11月の評価検討会議で「前回出された懸念事項が解消されたわけではない」等の意見が出て、否決が確定した経緯がある。

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