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■セミナー便り
1.糖尿病の心不全1次予防、GLへの薬剤記述を検討課題に-東大大学院:門脇孝特任教授-
2.MSI検査「世界初のがん種横断的コンパニオン診断薬」-国立がん研究センター東病院:吉野孝之消化管内科長-
■記者会見
1.中長期的な提案「国民との対話を進めたい」-製薬協:中山譲治会長-
■セミナー便り
1.ブレーキとアクセル「分けて考えていく必要ある」-法政大学経済学部:菅原琢磨教授-
2.セルメ税制「普及すれば下限を変える議論も可能」-厚労省医政局経済課:千田崇史企画調整専門官-

■セミナー便り
1.糖尿病の心不全1次予防、GLへの薬剤記述を検討課題に-東大大学院:門脇孝特任教授-
2.MSI検査「世界初のがん種横断的コンパニオン診断薬」-国立がん研究センター東病院:吉野孝之消化管内科長-

■記者会見
1.中長期的な提案「国民との対話を進めたい」-製薬協:中山譲治会長-

■セミナー便り
1.ブレーキとアクセル「分けて考えていく必要ある」-法政大学経済学部:菅原琢磨教授-
2.セルメ税制「普及すれば下限を変える議論も可能」-厚労省医政局経済課:千田崇史企画調整専門官

■セミナー便り

1.糖尿病の心不全1次予防、GLへの薬剤記述を検討課題に
-東大大学院:門脇孝特任教授-

アストラゼネカと小野薬品は11月26日、SGLT2阻害剤である糖尿病治療薬フォシーガ(一般名ダパグリフロジン)について、心血管アウトカム試験DECLARE-TIMI58の結果を元にメディアセミナーを共催した。日本糖尿病学会理事長も務める門脇孝東大大学院特任教授は、同試験結果を踏まえて、来年改訂予定の糖尿病診療ガイドラインでは、心不全に対する1次予防について、薬剤選択に対する踏み込んだ記述が検討課題になるとの私見を述べた。

DECLARE-TIMI58試験の組み入れは1 万7160人の2型糖尿病患者。このうち(1)虚血性心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患のうち1つ以上の疾患を有する心血管疾患既往患者(CVD既往群)が40.6%、(2)心血管疾患既往が無く、脂質異常、高血圧、喫煙のうち1つ以上のリスク因子を有する男性55歳以上、女性60歳以上の患者(複数のリスク因子保有群)が59.4%を占める。主要評価項目には▼心血管死、非致死性心筋梗塞および非致死性虚血性脳卒中の複合(3ポイントMACE)と▼心血管死または心不全による入院の複合―の2つが設定された。

試験の結果、主要評価項目の1つである心血管死または心不全による入院の複合評価では、フォシーガ群はプラセボ群に対して、有意に17%リスクを減少させた(P=0.005)。一方で、もう1つの主要評価項目3ポイントMACEでは統計学的有意差は認められなかった(P=0.017)。

DECLARE-TIMI58の試験結果に併せて、今年11月にランセット誌に掲載された、SGLT2阻害剤3剤を用いた3つの心血管アウトカム試験(エンパグリフロジンのEMPA-REG OUTCOME、カナグリフロジンのCANVAS Program、そしてDECLARE-TIMI58)に対するメタ解析結果が発表された。ここでは3ポイントMACE、心不全による入院、腎イベントといった評価項目に対して、CVD既往の有無別に層別化が行われた。

それによると、総じてSGLT2阻害剤は、CVD既往の2次予防群に対して心不全、腎疾患を有意に抑制し、3ポイントMACEを有意に低減した。CVD既往歴のない複数のリスク因子を保有する1次予防群に対しては、心不全、腎疾患は有意に抑制したが、3ポイントMACEは低減させなかった。ただし、DECLARE-TIMI58に限って見ると、2次予防群の3ポイントMACE抑制でも、ハザード比(95%Cl)は0.90(0.79~1.02)となり、有意差は出ていない。しかし門脇教授は、メタ解析では「2次予防群の3ポイントMACEについては3試験で同じ傾向であることが確認された」とコメント、さらに「基本的に3試験に本質的な差がなかったことを示している。(フォシーガに)3ポイントMACEに対する効果が無かったというふうには、必ずしも受け止めていない」との見解を示した。

そしてDECLARE-TIMI58の意義について、「単独試験で、1次予防群で初めて有意に心不全による入院を抑制した点が非常に新しく、臨床的にも非常に重要だ」と強調し、この結果を踏まえて、現在パブリックコメントを募集しているという糖尿病診療GLでは、1次予防の薬剤選択にも踏み込むかが検討課題になるとの私見も述べた。日本循環器学会代表理事も務める東大大学院循環器内科学の小室一成教授は、2型糖尿病患者の約10人に1人が心不全を発症し、発症した場合の5年生存率は2割を切っていると説明、さらに、心不全には根本的な治療法はないとして予防の重要性を説いた。

2018年3月発行の急性・慢性心不全診療GLは、EMPA-REG OUTCOME、CANVAS  Programの結果を基に、SGLT2阻害剤が心血管疾患既往のある2型糖尿病患者の心不全予防に有効であると記載するが、1次予防については今後の課題とするにとどめている。小室氏は1次予防について、「DECLARE-TIMI58の結果を踏まえてGLを変更する必要があると考えている」と述べた。

 

■セミナー便り

2.MSI検査「世界初のがん種横断的コンパニオン診断薬」
-国立がん研究センター東病院:吉野孝之消化管内科長-

国立がん研究センター東病院の吉野孝之消化管内科長は11月16日、ファルコHD主催のMSI検査キット(FALCO)のメディアセミナーで「世界初のがん種横断的コンパニオン診断薬が出た」と紹介した。米国では17年5月にキイトルーダがMSI-Highがんの適応を取得したが、FDAはコンパニオン診断薬を明確に示していなかった。国内は18年9月10日にMSI検査キット(FALCO)ががん組織から抽出したゲノムDNA中の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)の検出(ペムブロリズマブの局所進行性または転移性のMSI-Highがん患者への適応を判定するための補助に用いる)の使用目的で承認された。臨床検査の保険適用では2100点だった。吉野消化管内科長は「非常にリーズナブルな点数が付いた」とした。

MSI検査キット(FALCO)は大腸がん、胃がん、膵臓がん、子宮体がん、卵巣がんなどすべての固形がんを対象としている。従来法には家族性非ポリポーシス性大腸がん(リンチ症候群)の補助診断として研究用試薬を用いる検査法があったが、従来法は正常部の組織と腫瘍部の組織を比較してMSI-Highを判定するもの。MSI 検査キット(FALCO)は腫瘍部の組織のみにて検査が可能。正常部の組織は不要だ。吉野消化管内科長は「他のがんの検査も一般的に腫瘍部のみを提出している。現場はこの検査を追加する時に新たな手順を作らなくていい」とメリットを語った。

MSI検査は腫瘍組織を使ってゲノムDNA中の単純な繰り返し配列であるマイクロサテライトにおける反復回数の異常(マイクロサテライト不安定性)を調べる。正常な組織の場合、DNA複製の際に繰り返し配列の塩基対号に誤り(ミスマッチ)が起きてもミスマッチ修復機構(MMR)が働いて誤りが修正される。MMRに異常がある腫瘍細胞はミスマッチが修復されず、繰り返し配列において正常細胞と異なる反復回数を示すことがある。この反復回数の異常を調べてMSI-Highと判定。MSI-Highがんとする。

MSI-Highがんは大腸がん、胃がん、膵臓がん、子宮体がん、卵巣がんなど臓器によらず一定程度の頻度が見られる。MSI-Highがんはリンパ球の浸潤が多いがんであることが知られており、キイトルーダが著効する。日本人の4期の大腸がんでは2~3%の頻度だが、MSI検査はRAS(KRAS/NRAS)検査、BRAF V600E検査とともに「治療前から知っておいた方が良い検査」という重要な位置づけ。さらにはMSI-Highがんは治療方法の少ないがん種の中にも含まれることから、吉野消化管内科長は「ごくわずかなポピュレーションではあるが、今までの治療体系を大きく変えるかもしれないポテンシャルがある」とした。

 

■記者会見

1.中長期的な提案「国民との対話を進めたい」
-製薬協:中山譲治会長-

製薬協の中山譲治会長(第一三共会長兼CEO)は11月21日の記者会見で、製薬協からの中長期な提案(第一報)を発表した。詳細は19年初旬に発表する。製薬企業が新薬を創出し医療の質の向上や国民の健康寿命延伸に寄与する「エンジェルサイクル」に向かうには(1)イノベーション推進に向けた研究開発の基盤整備・体制構築(2)イノベーションを評価・促進する仕組みづくりが必要だと強調。中山会長は「国民との対話や議論を進めていきたいので、このタイミングで発表した」と語った。

研究開発の基盤整備・体制構築では「医療IDを計画としてはっきり打ち出して早く実現する。もう1つはゲノム情報そのものが個人を特定する情報になっているので、いまの法律の枠組みでは産業界がその成果によって研究開発を進めることがふさわしくない状況にある。医療の研究開発に使える形に持っていくのは極めて重要な課題になっている」と指摘。

イノベーションを評価・促進する仕組みづくりでは、医薬品の多面的な価値を新薬の価格に適切に反映する制度設計が必要だと強調。医薬品は有効性・安全性だけでなくデバイス改良などによる利便性の向上を含む医療的な価値、患者本人だけでなく家族・医療従事者・介護者の負担を軽減する社会的な価値、科学技術の進歩や政策の実現に貢献する保険基盤的な価値など様々な価値があるとし、多面的な価値と薬価への適切な反映について企業として主体的に説明していくとした。

 

■セミナー便り

1.ブレーキとアクセル「分けて考えていく必要ある」
-法政大学経済学部:菅原琢磨教授-

法政大学経済学部の菅原琢磨教授(社保審医療保険部会委員)は11月22日、IQVIAジャパン主催のメディアセミナーで「薬価制度にブレーキとアクセルの2つの目的を乗せている状況なので、そこを分けていく必要がある」と語った。医療保険財政を維持する目的で市場拡大再算定のような形で医薬品の売上げ全体に規制をかける方法はある程度やむを得ないとした上で、研究開発投資減税の拡充や、画期的イノベーションによる利益拡大部分について一定の税額控除を認めるなど減税措置を講じることで企業に報いる仕組みづくりが必要だとした。この税制活用の考え方は「審議会で発言しているが、少しずつ浸透してきているような手応えがある」とした。

加えて画期的イノベーションを評価する目的で診療報酬本体部分の改定と薬価改定を切り分けることを提案した。本体部分の改定財源として薬価引き下げがあることから「切り離すことで薬剤費内部の資源再配分の可能性が高まってくるのではないか」と述べた。

 

■セミナー便り

2.セルメ税制「普及すれば下限を変える議論も可能」
-厚労省医政局経済課:千田崇史企画調整専門官-

厚労省医政局経済課の千田崇史企画調整専門官は11月20日、日本一般用医薬品連合会主催のプレスセミナーでセルフメディケーション税制(セルメ税制)について解説した。セルメ税制は特定健康診査の受診など一定の疾病予防の取り組みを行う個人が、17年1月1日から22年12月31日までの間に、年間1万2000円以上のスイッチOTC医薬品を購入した場合、その超えた金額(上限8万8000円)について、その年分の総所得金額等から控除する制度だ。千田企画調整専門官は「この税制がきちんと使われ、国民に恩恵を及ぼしているのであれば、時限ではなく恒久措置として必要ではないか、1万2000円の下限を変えていくことができないか、そういう議論が厚労省としてもできるようになると考えているので、税制の在り方を議論していきたい」と語った。

なお、18年3月末でセルメ税制申告者は2.6万人。日本一般用医薬品連合会の柴田仁会長は「まだまだ利用者は少ない状況」とした上で「確定申告の方法は毎年のように簡単な方法に変わってきている。e-TAXが改善されて19年1月以降はスマホによる申告も可能になる」と語り、申告者の増加に期待を示した。

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