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■セミナー便り
1.COVID-19の市場への影響は「3000億円」 -IQVIAジャパングループ:高山莉理子Thought Leadership-

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1.COVID-19の市場への影響は「3000億円」-IQVIAジャパングループ:高山莉理子Thought Leadership-

 

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1.COVID-19の市場への影響は「3000億円」
-IQVIAジャパングループ:高山莉理子Thought Leadership-

IQVIAジャパングループの高山莉理子Thought Leadershipは5月21日、同社主催のウェブセミナーで「2024年までの展望とCOVID-19アウトブレイクの影響」と題して講演を行った。医薬品市場に対するCOVID-19の影響としては患者の受診抑制や診療制限を想定。COVID-19の影響を含まないベースラインの予測では、国内医薬品市場は毎年改定の影響を受けて24年度までマイナス傾向で推移するとみていたが、COVID-19の影響を含めた更新版の予測では、ベースラインをさらに下回る成長になると見通しを示した。高山氏は、直近の20年度では「▲3030~▲2530億円程度ベースラインより低くなる」とした。

高山氏によると、COVID-19の影響を含まないベースラインの予測では、国内医薬品市場は、20年度10兆8090億円~11兆90億円、21年度10兆7420億円~10兆9420億円、22年度10兆5800億円~10兆7800億円、23年度10兆5740億円~10兆7740億円、24年度10兆4580億円~10兆6580億円と推移する。

一方、COVID-19の影響を含む更新版の予測では、20年度10兆5300億円~10兆7300億円、21年度10兆5810億円~10兆7810億円、22年度10兆4760億円~10兆6760億円、23年度10兆4890億円~10兆6890億円、24年度10兆3930億円~10兆5930億円と推移する。

高山氏は「20年度がその影響を一番大きく受け、10.9兆円ほどを見込んでいたが、10.6兆円ほどと3000億円程度マイナスになるのではないかとみている」とした上で21年度以降「10.6兆円をベースにやや差は縮まっていくと思うが、COVID-19の影響が取り戻せることはないと考えている」と見通しを示した。

プロモーション活動への影響

高山氏は講演でCOVID-19のプロモーションへの影響にも言及。4月中旬(4月12日の週)の各国における宣伝活動量を前年同期と比較した結果を示し、「中国、韓国、イタリアのように早期にCOVID-19の影響を受けた国ほどリモートによる宣伝活動量が増えている」とした他、日本では対面による宣伝回数が前年同期比63%減少し、リモートによる宣伝回数(e-mail、電話、e-ディテーリング、ウェブセミナーなど対面以外の宣伝活動)は34%増加したと紹介した。宣伝活動量の変化では日本は2%減少と他国(中国▲14%、韓国▲28%、米国▲23%など)に比べると小さく、宣伝活動量全体の変化は非常に小さくとどまった。高山氏はこの理由について「失われてしまった対面によるコンタクトをリモートによって補っている結果ではないか」と語った。

また、日本では過去12カ月において、デジタルチャネルの活用が顕著に増加していたが、COVID-19発生以降の2月末以降、その傾向が加速していると指摘。「19年はリモートと対面の割合が4:6とリモートの方がやや少ない状況で推移していたが、20年2月末の休校宣言ごろからリモートの割合が急増した。2月中旬ごろから在宅勤務の動きが高まり、在宅活動を余儀なくされた結果だと考えている。医療機関における院内感染の影響も受け、訪問規制がさらに強化されたことで、4月第2週の時点では9割近くがリモートでの対応となっている」と語った。

その上で、高山氏はリモートによる営業活動に関して考えるべき5つのポイントとして▼リモートディテーリング技術の構築(セキュリティの担保されたものを使うなど)▼リモートディテーリングコンテンツの最適化▼リモートによるエンゲージメントスキルの強化▼ターゲットドクターの選定(デジタルに詳しい医師もいれば詳しくない医師もいる中でどのように組み合わせるかなど)▼パフォーマンス管理-を挙げ、「リモートツールは万能ではないので、MR自身がデジタルツールを使いこなして医師のニーズをしっかりくみ取り、対面と適切に組み合わせて使うことが効果を最大化すると考えている」と語った。

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