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■セミナー便り
1.がん悪液質の治療薬「非常に期待されている」-静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科:内藤立暁医長-
2.エピペン使用率低く「有効に使えていない現状がある」-相模原病院臨床研究センター:佐藤さくら医師-

■セミナー便り
1.がん悪液質の治療薬「非常に期待されている」-静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科:内藤立暁医長-
2.エピペン使用率低く「有効に使えていない現状がある」-相模原病院臨床研究センター:佐藤さくら医師-

 

■セミナー便り

1.がん悪液質の治療薬「非常に期待されている」
-静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科:内藤立暁医長-

静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科の内藤立暁医長は8月7日、日本がんサポーティブケア学会(JASCC)主催のプレスセミナーで、がん悪液質について講演した。JASCCは3月にがん悪液質ハンドブックをウェブ上で無料公開し、疾患啓発に努めている。内藤医長は集学的支持医療によって患者の健康寿命の延伸を図りたいとした。

がん悪液質とは「がんを有しているだけでダイエットしているわけでもないのに体重が減る。特に筋肉がやせ、歩けなくなる状態のこと」を指す。国際的には「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、骨格筋量の持続的な減少を特徴とし、進行性の機能障害に至る、多因子性の症候群」と定義されている。

特に進行がんにおいて頻度が高く、初診時において半数以上の患者、終末期までに80%の患者ががん悪液質を経験する。内藤医長によると、がん悪液質は、患者の身体的な活き、栄養状態、治療のリスクに関係し、医師にとっては日々の治療の選択に関わる重要な要素になっているという。

しかしながら、がん悪液質に対する標準治療はなく、がん悪液質に適応を有する薬剤もない。その中で18年11月に小野薬品がグレリン受容体作用薬アナモレリン(一般名)について「がん悪液質における体重減少および食欲不振の改善」の効能・効果で国内承認申請を行った。内藤医長は同剤について「非常に期待されている」と語った。

加えて、京都府立医科大学を中心に、がん悪液質の集学的支持医療であるNEXTAC介入(栄養療法+下肢筋トレ+身体活動介入)について、高齢進行非小細胞肺がん/膵がんに対する早期栄養・運動介入の多施設共同ランダム化第2相NEXTAC-TWO試験が実施中。この試験の最終結果は21年に報告される予定だ。

 

■セミナー便り

2.エピペン使用率低く「有効に使えていない現状がある」
-相模原病院臨床研究センター:佐藤さくら医師-

国立病院機構相模原病院臨床研究センター病態総合研究部の佐藤さくら病因・病態研究室長は8月21日、マイランEPD主催のアナフィラキシー治療補助剤エピペンに関するメディアセミナーで、日本アレルギー学会が実施したアナフィラキシー治療症例の多施設集積調査の結果を報告した。

この調査の結果、エピペンの使用率が低いことが分かった。佐藤室長は「まだまだ有効に使えていない現状がある」と指摘し「専門医としてきちんと患者に処方すること、患者が適切な状況で使えるように指導することが大事だ」と語った。

調査は日本全国767症例が集積された。患者背景は男性の割合が60.4%と多く、年齢の中央値は6歳(3〜21歳)だった。小児が全体の7割を占める。登録症例の4割はアナフィラキシーの既往を有していた。

この調査では副次アウトカム評価項目で、アナフィラキシー発症時のアドレナリン自己注射薬使用率を見ており、佐藤室長は「全体でエピペン使用率は11.8%しかなかった。もともと処方されていない方もいるので、アナフィラキシー既往歴のある患者だけに限定してみたが、それでも21%だった」と報告した。使用率向上に向けて「患者と患者に関わる方への教育が非常に重要になる」とした。

調査の主要アウトカム評価項目はアナフィラキシー治療症例の原因物質の分布を明らかにすること。結果は、食物68.1%、医薬品11.6%、FDEIA(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)5.2%、昆虫刺傷4.4%だった。

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